最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
実は40歳以上の女性の4割以上が尿漏れを経験しています。尿漏れの原因に応じた対処法をご紹介します。
女性に尿漏れは主に2種類に分類されます
女性の尿漏れの多くは腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の2つに分類されます。
腹圧性尿失禁は、お腹に力を入れたとき、例えば重い荷物を持ち上げた時、走ったりジャンプをした時、咳やくしゃみをした時などに尿漏れします。骨盤底の筋肉が緩むことが原因で、加齢や出産をきっかけに出現したりします。重い荷物の持ち運びや長時間の立ち仕事や排便時の強いいきみ、喘息なども骨盤底筋が緩む原因になります。
切迫性尿失禁では急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまうこともあります。多くの場合は、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまうことが原因です。膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になります。
女性に多い腹圧性尿失禁では骨盤底筋訓練が治療になる
腹圧性尿失禁の症状が軽い場合は骨盤底筋訓練によって改善が期待できます。
日本ウィメンズ・メンズ・ヘルス理学療法研究会「骨盤底筋訓練の方法について(動画)」
また、肥満の方や最近急に太った方では、減量が有効なことがあります。これらの方法で改善しない場合は手術を検討します。
切迫性尿失禁では骨盤底筋訓練、膀胱訓練、内服薬が治療になる
切迫性尿失禁は、お薬を飲むことで症状の改善が見込めます。また、飲水コントロール、骨盤底筋訓練、尿意があっても我慢する膀胱訓練なども一定の効果があります。
子宮脱や膀胱脱が原因の場合は婦人科で腟にリングを入れることで症状の改善が期待できますが、状況によっては手術を検討します。
尿漏れにたいしてご自身で骨盤底筋訓練をすることで症状を改善できることがあります。ただし、なかなか症状が治らずお困りの場合は一度婦人科もしくは泌尿器科受診をご検討ください。
<参考文献>
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。
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(産婦人科医 大村美穂)