最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
幸せな子育てや結婚生活、パートナーとの健全な関係は、誰もが望んでいることだと思います。今回は、既にパートナーがいる方だけでなく、これから恋愛するかもしれない方や、現在子育て中の保護者の方にも、是非知っておいて欲しい「デートDV」についてお伝えいたします。
デートDVとは、カップル間で起こる暴力のことをいいます
デートDVが起こる背景には、「暴力への軽視」「女(男)らしさへの期待」「愛情と束縛の履き違え」などがあります。
近年は、スマートフォンの普及によって、インターネットやSNS利用の低年齢化が進み、若い世代のデジタルによるデートDVの被害も増加しています。
「好きだから、気持ちを通じ合わせたい」「一緒にいたい」というのと、「自分の思いどおりに動いてほしい」「独り占めしたい」と相手をコントロールしたり、「自分のモノ」として扱うのは違うことです。
相手をコントロールしたり、「自分のモノ」として扱ったりすることは、交際相手に対する「暴力」、いわゆる「デートDV」にあたります。
暴力には様々な種類があり、いかなる事情があっても許されるものではありません
暴力には、主に次のようなものがあります。
精神的な暴力:大声で怒鳴る・バカにする、交友関係や行動を制限する、無視をする、メールなどをチェックする 等
身体的な暴力:殴る・たたく・蹴る、腕をつかむ、突き飛ばす、髪を引っ張る、物を投げつける 等
経済的な暴力:デート費用を全く払わない、借りたお金を返さない、仕事やバイトを辞めさせる 等
性的な暴力:性行為を強要する、避妊に協力しない、見たくないポルノビデオ等を見せる、嫌がっているのに裸等を撮影する、中絶を強要する 等
「性的同意」についてはこちらの記事をご覧ください。
暴力にはサイクルがあり、巻き込まれると簡単には抜け出せません
デートDVの加害者は、一般的に次の様なサイクルを繰り返します。
イライラ期:些細なことでイライラし威圧的になる
爆発期:怒りのコントロールができず、前述の様な暴力をふるう
ラブラブ期:謝ったり、いつも以上に優しく、別人の様になる
ラブラブ期があることで、被害者側は「本当は優しい人なのだ、自分は愛されているのだ」と勘違いをしてしまいます。こうした愛情の履き違えで、暴力のサイクルから抜け出せなくなってしまうのです。
デートDVはエスカレートすると、ストーカー行為や暴行・傷害につながるおそれもあります。もしもあなたや、あなたの身近な家族や友人がデートDVを受けているときは、自分を責めたり、一人で解決しようせずに、配偶者暴力相談支援センターなどお近くの相談窓口に早めに相談しましょう。
配偶者暴力相談支援センター(都道府県や市町村が設置する相談機関です)
DV相談+(プラス)(2020年に新設された事業。24時間の電話相談、メールやSNSによる相談も可能です。)
もちろん、産婦人科オンラインでも、お気軽にご相談いただけます。
どうか被害者や加害者にならないために、二人の関係に暴力が隠れていないかを今一度見直してみてください。
暴力には「NO」と言えること、誰かに「SOS」を出すことが、解決の第一歩です。
<参考文献>
内閣府男女共同参画局.「デートDVって?」
政府広報オンライン.「パートナーや恋人からの暴力に悩んでいませんか。一人で悩まずお近くの相談窓口に相談を。」
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 小松由美子)