最終更新日: 2024年3月27日 by 産婦人科オンライン
月経の時に使用する生理用品。「正しい使い方について習った事なんてない!」という方も多いのではないでしょうか?今回は産婦人科医師の立場として、ナプキンやタンポンを使うときの注意点についてまとめました。
出血量、交換できる間隔、ライフスタイルによって使いやすい製品の選択を
ナプキンは、素材・長さ・厚さ・ウイングの有無などにより様々な種類があります。デリケートゾーンの皮膚トラブルを避けるためにも、日中は2-3時間に1回程度の交換が勧められます。
タンポンは、吸収できる経血の量によってサイズ展開があり、一般的に4-8時間程度に1回の交換がすすめられます。
出血の多い方や、漏れてしまうのが心配な方は、ナプキンとタンポンの併用も可能です。
衛生面に気を付けて、トキシックショック症候群(TSS)の予防を
TSSとは、黄色ブドウ球菌による致死的な全身の感染症です。TSSとタンポンの関連性ははっきりわかっていませんが、タンポンの適切な利用によりTSSの件数が減少したともいわれているため、以下の点に配慮したタンポンの使用が望まれます。
・製品の利用方法を守る
・清潔な手で交換をする
・月経の時のみ使用する
・8時間以上交換せずに使用しない
・必要最低限の吸収量のものを使用する
・痛みや発熱などの症状の場合は早めに受診する
・TSSについて症状や予防法を知っておく
経血がもれてしまう?それは過多月経かもしれません
一度の月経で140ml以上の経血がある場合を「過多月経」と言いますが、あくまでも目安であり、量を実際に測るのは困難です。一般的には、数時間以内にパッドがいっぱいになって漏れてしまう、出血の塊がごろごろ出る、貧血の症状に悩まされている、などの時に過多月経を疑います。
原因として、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープ・子宮内膜増殖症などが隠れていることもあるので、産婦人科での診察が必要です。
ナプキンやタンポン以外に、近年は吸水用ショーツや月経カップなども「第3の生理用品」として注目されています。ライフスタイルによってこれらの製品をうまく活用して快適に月経期をすごされることが望まれますが、過多月経や月経痛などの症状でお困りの場合は、お近くの産婦人科へ相談されてくださいね。
<参考文献・ウェブサイト>
U.S. Food and Drug Administration. The Facts on Tampons—and How to Use Them Safely
産婦人科オンラインジャーナル. デリケートゾーンの衛生ケア〜3つのポイント〜
日本衛生材料工業連合会. トキシックショック症候群について
日本産科婦人科学会.「日本産科婦人科学会の「生理の貧困」に関する動画 ~生理のウソ・ホント?~」
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。
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(産婦人科医 青栁百合)