誰にでも起こりうる。稽留流産と診断されたときの対処法

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

稽留(けいりゅう)流産には症状がなく、誰にでも起こる可能性があります。ここでは、稽留流産と診断された場合の治療やその後の妊娠について解説します。

稽留流産は誰にでも起こり得ます

妊娠の比較的早い時期に子宮の中で赤ちゃんが亡くなってしまうか、赤ちゃんの姿がなく赤ちゃんを包んでいる袋である胎嚢のみが子宮に留まっている状態を稽留流産といいます。妊娠した人の15%は流産するといわれており、妊娠したことがある人の38%は流産を経験しているといわれています。

流産の原因は偶然に起こった赤ちゃんの異常であることがほとんどで、お母さんの普段の生活や運動、仕事などが影響して起こるわけではないので、ご自身を責める必要はありません。

稽留流産の治療は自然待機か手術

稽留流産となった時点では、お母さんには症状がないことがほとんどです。自然に赤ちゃんが出てきてくれることが多いので、それまで待つこともあります。赤ちゃんが出てくるときに出血したり、お腹が痛くなることがあります。

なかなか出てこない場合や出血が続く場合などは子宮の中のものを取り除く手術をします。手術は10分程度で、当日もしくは翌日に退院できることがほとんどです。

次の妊娠への悪影響は少ない

稽留流産自体がその後の妊娠に悪影響を与えることはありません。稽留流産はどなたにでも起こり得ることなので、診断されたらお辛いとは思いますが、ご自身を責めないでくださいね。

<参考文献>

Sugiura-Ogasawara M, et al.: Frequency of recurrent spontaneous abortion and its influence on further maritial relationship and illness: The Okazaki Cohort Study in Japan. J Obstet Gynaecol Res 2013;39: 126-131.
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。

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(産婦人科医 大村美穂

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