最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
赤ちゃんのお世話をしていると、「赤ちゃんは自分自身や家族のことをどこまでわかってるの?」と疑問に思うことはありませんか。赤ちゃんが自分を認識していく過程について、赤ちゃんのしぐさと鏡を見せたときの反応をもとに紹介します。
1歳頃に自分と他者の区別がなんとなくわかる
赤ちゃんは、感情やものごとが自分の中と外のどちらで起こっているのか曖昧なところから発達していきます。生後2〜3ヶ月頃の赤ちゃんが、自分の手をじっと見るしぐさを見たことはありませんか。これは、赤ちゃんが自分の身体に対する最初の認識行動だと考えられています。
赤ちゃんは、指しゃぶりをすることもありますよね。このとき、口と指で指しゃぶりをしている感覚を感じることを通して、自分自身を認識しています。この頃の赤ちゃんに鏡を見せると、鏡に顔を近づけたり鏡を叩いたりして、鏡の向こうに自分ではない誰かがいるような行動をとります。まだ、鏡に映っているのが自分とは気がついていません。
1歳半〜2歳頃に自己認知が確立
9-12ヶ月頃には、自分が手を振ると、鏡に映っている相手も手を振ることに気が付きます。1歳になる頃には、鏡に映っているのは実物の人ではないことがわかってきます。鏡に映っているのは自分だとはっきりと認識するようになるのは、2歳頃です。
自己認識が進むと、やがて自我の芽生えにつながっていきます。外の世界を自分で歩き、様々なものに触れることによって、行動の主体となるのは自分だということを感じます。自分と自分以外の他者は違う人間であることがわかってくるのです。
安心して身近な人やものと関われるように
赤ちゃんの自己認知を育てるために、特別なことは必要ありません。日々のお世話の中で、赤ちゃんの声やしぐさに反応したり話しかけたりして、豊かな関わりがもてるといいですね。赤ちゃんと関わるときのポイントを3つご紹介します。
・健やかにのびのび育つ場所:安全で安心して過ごせる場所をつくる
・身近な人と気持ちが通じ合うような関わり:家族や近所の人、保育園の関係者など身近にいる人とのかかわりを大切にする
・身近にあるものに関わることを楽しむ:身近にあるおもちゃや生活用品など慣れ親しんだものに触れたり、家や公園などの環境の中で五感を活かして見聞きしたり触れたりすることを大切にする
赤ちゃんへの声かけについては、こちらの記事も参考になさってください。
赤ちゃんは、だんだんと自分に意識を向けて、2歳頃に自分をはっきりと認識していくのですね。身近な人やものを通した豊かな関わりがポイントです。
*参考文献
厚生労働省「保育所保育指針」
林洋一「面白くてよくわかる!発達心理学」株式会社アスペクト
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(助産師 河井恵美)