最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
離乳食を卒業後は大人と一緒の食事でいいのか?味付けはどうしたらいいの?と悩む方が多いと思います。今回は離乳食完了期の1歳半前後から就学前の子どもの食事「幼児食」について説明していきます。
幼児食は大人の食事への準備であり、食事を通してたくさんのことを学びます
幼児食とは、大人の食事に近づいていく準備期間の食事のことをいいます。離乳食が完了する1歳半から就学前までの時期です。
離乳食を通して、食べるための基本的な口の動きは出来るようになりましたが、幼児は噛む力・味覚・消化機能は未熟です。そのため成長発達に応じた調理方法や味付けの工夫が必要になります。
また幼児期は、乳児期に比べて、興味や関心の対象や生活の範囲がぐっと広がります。愛着の形成や認識力の発達も目まぐるしい時期です。この時期に、食事を通して、自分で食べる力・規則正しい食習慣・他者と食事を楽しむことで社会性を身につけることができます。体の栄養補給の他に心と脳の発達にもとても重要になってくるのが、幼児食です。
3段階に分けて進めてみましょう
幼児食を食べる時期は、一般的に1歳半から6歳ごろまでです。とても長い期間になるため、段階を分けて食事内容のステップアップをしていきましょう。
☆ステップ1☆ 幼児食移行期(1歳から1歳半)
離乳食から幼児食への切り替えの時期です。奥歯がまだ生え揃っていないので、歯ぐきで噛み潰して食べられるように、調理した食材の固さが合っているか観察しながら進めていきます。
☆ステップ2☆ 幼児食前期(1歳半から2歳)
3食からしっかりと栄養を取る時期になります。奥歯が生え始め、少しずつ噛む力が強くなってきます。噛む力の発達のためにも、固さを少し残した食材を取り入れていきましょう。スプーンを使って食事が出来るようになってきます。
☆ステップ3☆ 幼児食後期(3歳から6歳)
乳歯が生え揃い噛む力が安定し、噛み方の調節力もついてきます。食材の幅も一気に広がるので、いろいろな食体験が出来る時期です。また、この時期は、お箸の使い方や食事のマナーを教えていくといいでしょう。
幼児食の3つのポイント
幼児食を与える際の3つのポイントをお伝えします。
★出来るだけ薄味で★
子どもの味覚が発達する幼児期。薄味にすることで、素材本来の風味や甘味を感じることができます。子どもの味に対する感覚を育てることに役立ちます。
★栄養バランスは1週間単位で★
食べむら・遊び食べの多い時期です。毎日栄養バランスを整えるのは難しいです。1週間単位で大体の栄養が摂れていれば大丈夫です。
★食べる楽しさを学ぼう★
食事が楽しい時間であれば、食欲が湧いてきます。苦手な食材は、お皿を変えるだけで食べてくれることもあります。大人が率先して笑顔がいっぱいの楽しい食卓を演出してみましょう。
幼児期の成長発達には、個人差があります。お子様の成長・反応を観察しながら焦らず幼児食を進めてみてくださいね。また、子どもの食事を機に大人も食生活を見直す良い機会になるといいですね。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
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(助産師 小堀千辺)