最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
妊娠中や子育て中、「パートナーにイライラする」という声をよくお聞きします。感情的になって、喧嘩になってしまうということもあるかもしれません。そこで、今回は「私もOK、相手もOK」という「アサーティブなコミュニケーション」についてお伝えしようと思います。パートナーといつまでも良い関係を築くヒントにしてください。
アサーティブなコミュニケーションって何?
コミュニケーションのタイプには、3つあります。
1つ目はアグレッシブ(攻撃的)タイプ。攻撃的な言葉や態度で自分の気持ちを伝える特徴があります。2つ目はノンアサーティブ(非主張的)なタイプ。自分の気持ちを抑えて相手に合わせるコミュニケーションタイプです。3つ目はアサーティブなコミュニケーションタイプ。これは、「あなたもOK、私もOK」というコミュニケーションを行うタイプです。これは、「アサーション」とも言い、相手の言い分に耳を傾けつつ、自分の主張もしっかりと言うことです。
アサーティブなコミュニケーションを行うと、相手の意見が自分と違っても相手に歩み寄るという気持ちと、解決していこうとする前向きな気持ちを示すことができます。そのため、相手も同じように歩み寄ってくれる可能性が高くなります。
アサーションの5つポイント
アサーションの5つのポイントを紹介します。このポイントに注目して、自分の気持ちを相手に伝えるようにしましょう。
① 自分の正直な気持ちに気づく
② 相手に伝える勇気を持つ
③ 表現のしかたを考える
④ 自分も相手も大切に、かつ平等に
⑤ 自分を責めない、相手も責めない
まず、感情を整理し、自分の心の中にある正直な気持ちや欲求に気づくことが大切です。また、相手に誠実に接し、思いを言葉にする勇気を持ちましょう。そして、穏やかにはっきりと伝えます。自分も他人も尊重し、対等な意識を持って自分の意見を言うことです。たとえうまくいかなくても、結果を受け入れて次に活かすようにできるといいですね。
I(愛)メッセージで伝えることが重要です
アサーティブなコミュニケーションの具体的な方法を紹介します。「私」という視点で発信する話し方をしてみましょう。主語を「I(英語で私)」にして伝えるのです。例えば、「今、赤ちゃんに授乳しているから、あなたが〇〇をしてくれたら私は嬉しい」「私は△△だと思う」というふうに気持ちを伝えるのです。そうすると、相手は「自分が〇〇すると(相手は)嬉しいんだ」「(相手は)△△だと思ってるんだ」と理解してくれます。
イライラしていたり人に用事を頼んだりするときは、どうしても「〇〇して」と命令形になってしまいがちです。そんな時には、「その伝え方をすると相手はどのように思うか」ということを考えてみましょう。はじめは、面倒だと思うかもしれません。しかし、主語を「I(英語で私)」にして伝えると、自分の思いを知って冷静に伝えることができます。また、相手を責めるような言い方を避けることにも繋がります。
自分の気持ちを表出することは大切なことです。しかし、その方法を少し工夫するだけで、「相手もOK、私もOK」といった伝え方ができます。夫婦間だけでなく、家族や仕事にも使える考え方です。アサーションのポイントを参考にしながら、「I(愛)メッセージ」で気持ちを伝えてみてくださいね。
*参考文献
『図解雑学 人間関係の心理学』齊藤勇 ナツメ社
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(助産師 河井恵美)