最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
お母さんが外出予定でしばらく授乳できないときや、育休明けでいざ保育園へ預けるとき、「哺乳瓶で飲んでくれない〜!」という切実なSOSをよく耳にします。今回は、哺乳瓶での授乳に慣れていないお子さんの練習方法についてご紹介します。
人工乳首の選び方〜素材や穴の形、大きさにはたくさんの種類があります〜
人工乳首には、実はいろいろな種類があります。
素材:天然ゴムや合成ゴム、シリコンゴムなど。天然ゴムは柔らかいがゴム特有の匂いがする場合もあり。シリコンゴムは匂いはないが少し硬め。
穴の形:丸穴、スリーカット、クロスカットなど。丸穴は吸う力が弱くても中のミルクが出やすく新生児向き。その他は、赤ちゃんの吸う力によって出てくる量が異なるので生後2〜3ヶ月頃から使うことが多い。
穴の大きさ:SS〜Lなど。メーカーによっても異なるが、一般的には、SS(新生児期)、S(1ヶ月〜)、M(3ヶ月〜)、L(6カ月〜)が目安。
穴の形や大きさはある程度月齢に合ったものを準備するといいですが、素材はお子さんの好みがあるかもしれません。なかなか哺乳瓶で飲んでくれない時には、異なる人工乳首を使ってみるとうまくいくことがありますよ。
哺乳瓶で練習するときは、哺乳瓶の中身や与えるタイミング、授乳する人を代えるといった工夫してみましょう
哺乳瓶での授乳練習の際に工夫できるポイントをお伝えします。
哺乳瓶の中に母乳を入れて飲ませてみる
哺乳瓶にミルクを入れたものを嫌がるときは、搾乳した母乳に替えてトライしてみましょう。飲み慣れた母乳で飲んでくれるなら、人工乳首ではなく、ミルクの味を嫌がっているのかもしれません。ミルクもメーカーによって、わずかに成分や味が違います。月齢に合ったものの中から、メーカーを替えて選び直してみるのも一案ですね。
空腹すぎないタイミングで与える
空腹すぎると、赤ちゃんは怒ってしまい、落ち着いて哺乳瓶での授乳練習ができないことがあります。普段の授乳間隔より少し早めのタイミングで練習してみましょう。
お母さん以外の人が授乳してみる
お母さんが抱っこしていると、赤ちゃんはいつも通り母乳がもらえると予想してしまうかもしれません。予想に反して哺乳瓶を近づけると、びっくりしたり、嫌がったりしてしまうこともあります。可能であれば、お母さん以外の保護者の方が哺乳瓶で搾乳やミルクを与える練習をしてみましょう。
赤ちゃんが自分から口を開けるのを待つ
お母さんの乳首と人工乳首では、口の中での捉え方が異なるかもしれません。人工乳首を無理やり赤ちゃんの口に押し込むのではなく、赤ちゃんの唇の周りに哺乳瓶の乳首をツンツンとあて、赤ちゃんが自分から口を開けるのを待ちましょう。捉えやすい深さならば、くわえやすくなるかもしれません。
それでも飲んでくれない時には、スプーンやコップなど他の器具を使ってみましょう
ここまで書いたように、様々な工夫をしても飲んでくれないことはあります。まずは、一回試しただけでは諦めず、繰り返しトライしてみるといいでしょう。ある程度繰り返し練習してみてもうまくいかない時は、少し期間をあけるのもいいでしょう。赤ちゃんの機嫌がいいときや、少し慣れてきたタイミングで、すんなりと飲めるようになることもあります。
しかし、どんなに工夫しても飲んでくれない時には、どうしたらいいでしょうか?
まだ離乳食を食べていない時期で、どうしてもミルクを飲んでもらう必要がある場合には、哺乳瓶ではなく、コップやスプーン、スポイトを使って与えるのも一案です。こうした器具を使うと空気を一緒に飲みやすいので、こまめにゲップをさせるといいでしょう。
また、離乳が完了する1歳以降では、必要な量の離乳食を食べることができていたら、ミルクなどは与えなくてもいいと言われています。もしお子さんが1歳を過ぎていて、短時間の外出中にミルクを与えたいという場合には、代わりに離乳食や薄めた麦茶などを与えることで解決する場合もあります。お子さんの月齢によって、対応方法を考えていきましょう。
もし哺乳瓶での授乳がうまくいかないまま保育園へ入園になりそうな時には、あらかじめ保育園の先生へ相談しておくと良いでしょう。離乳食の進み具合や月齢を考慮しながら、入園までにしておいた方がいいことをアドバイスしてくれるかもしれません。
離乳食の必要量や回数の目安については、こちらの記事も参考になさってください。
哺乳瓶からミルクを飲んでくれない時には、人工乳首やミルクの種類をかえてみる、空腹すぎないタイミングで与える、お母さん以外の人が授乳してみる、といった工夫ができそうですね。また、お子さんの月齢などによっては、離乳食を進めることで解決する場合もありますよ。
<参考文献>
哺乳瓶や人工乳首の選び方がわからない!〜準備する時期や種類〜
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
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(助産師 中村早希)