最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
イライラや不眠など様々な症状が現れる更年期障害。いくつかの対処法がありますが、ここでは、漢方薬の基本についてお話しします。自分に合った漢方薬を探してみましょう。
漢方薬のメリットは、市販もされていて比較的安全に使用できる点です
漢方薬のメリットの1つとして、市販もされていることがあります。忙しくて医療機関を受診する時間がない、という方でも気軽に手に入れることができます。一般的に、同じ名前の漢方薬であれば、市販用、医療用で成分の違いはありません。
また、更年期障害の治療法の1つである「ホルモン補充療法」よりも、比較的安全に使用できます。症状はあまり強くないものの、少し気になるというような場合に、試しに漢方を飲んでみるという方法もあります。
漢方薬は、基本的に粉薬ですが、種類によっては錠剤もありますので、粉薬が苦手という方でも使用できる場合があります。
漢方薬のパッケージをみて自分に合うものを探す方法
漢方薬のパッケージにはいくつかの効能が書いてあります。一見わかりづらいように思うかもしれませんが、諸症状を幅広くカバーしてくれる優れものという見方もあります。効能の中で、一番辛いと感じる症状や、当てはまる症状の数が一番多く記載されているものを選んでみましょう。
更年期障害に効果のある代表的な漢方薬と効能は次の4つがあります。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)→頭重、頭痛、めまい、肩こり、貧血
・加味逍遙散(かみしょうようさん)→不眠、イライラ、頭痛、めまい、上半身の灼熱感
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)→のぼせ、頭痛、めまい、肩こり、足の冷え
・温経湯(うんけいとう)→冷え性で、手足のほてりや口の乾燥、下腹部の冷えや痛みがある場合
ご自身に合った漢方薬を見つけられそうですか?
効果が感じられない時や、他に内服薬がある場合、医療機関に相談しましょう
漢方薬の効果が現れるまでは、1-2ヶ月かかることもあります。効果が十分に感じられない場合は、医療機関を受診して治療方針の再検討や他の病気の可能性について診察を受けましょう。
また、どんな漢方を選んだらいいか分からない場合や、すでに他の病気の治療をしていたり、内服をしている方は、漢方薬の内服についてかかりつけ医に事前に相談しましょう。
更年期障害のもう1つの治療であるホルモン補充療法についても解説記事がありますので、よろしければ参考にしてください。
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後、そして女性の健康に関する不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(産婦人科医 櫻井 学)