最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
楽しいはずの食べることが、お子様の健康や命を危険にさらしてしまったという事故が毎年報告されています。食品による6歳以下の窒息死亡事故のうち、77%が0歳児と1歳児です。
こんなものも?!身近な食品にも要注意!
以下にあげた食品の中には、実際に事故の要因になったものが含まれています。食べさせる時には一層の注意と、与え方の工夫が必要です。
①まるい形状でつるっとしている
ミニトマト、ぶどう、さくらんぼ、うずらの卵、球形のチーズ、カップゼリー、ソーセージ、枝豆やピーナッツなどの豆類、白玉団子、飴、ラムネ菓子
②粘り気があり唾液が吸収される
もち、ご飯、パン類、さつまいも、カステラ、ドーナツ、せんべい
③固く噛み切りにくい
えび、いか、貝類、りんご、生の人参、棒状のセロリ、水菜
④弾力が強い
きのこ類、わかめ、かまぼこなどの練り製品、こんにゃく、グミ
⑤唾液が吸収され飲み込みにくい
焼き海苔、ゆで卵、高野豆腐、煮魚、鶏ひき肉のそぼろ、ブロッコリー
「乳児用規格適用食品」という表示があるベビーフードやベビーおやつがあります。これらは、その食品に含まれる放射性物質の量が、国が定めた乳児用の基準値を満たしているという表示です。製品の大きさの安全性についての表示ではありません。お子様が安全に食べられる固さや大きさは、保護者の方が判断して選ぶ必要があります。
食品の選び方以外で気をつけたいポイント!
乳幼児側の要因として、機能の未熟さから、うまく噛み切れなかったり、ふいに口に入ってしまったものを咳をしてのどから押し返すことがまだうまくできません。また、遊びやテレビなど何か別の行動をしながら食べると、よく噛むことやしっかり飲み込むことに集中ができなくなります。
小さなお子様に食事を与える時には、以下のことに注意しておきましょう。
・正しく座っているか確認し、そばにいて食べている様子をしっかり見守る。
・食事中はびっくりさせるようなことはしない。
・食卓にお子様の口に入る大きさのものを放置しない。
・幼い年長のお子様がふいに与えてしまうことがあることを知っておく。
窒息時の対応は、こちらの記事を参考にしてください。
報告されている過去の痛ましい事故の実例から学べること、活かせることがあります。そばにいる大人が知識を持ち、みんなで共有すること、それが尊い命を守ることにつながるのです。
*参考文献*
・日本小児科学会
・NPO法人Safe Kids Japan
・消費者庁. 食品による子供の窒息事故にご注意ください!
・小児科と小児歯科の保健検討委員会. 資料「歯からみた幼児食の進め方」、小児保健研究、第66巻第2号、2007
・こども家庭庁. 教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン.
・岩手医科大学歯学部小児歯科学講座、社団法人岩手県歯科医師会、岩手県保健福祉部保健衛生課. 乳幼児の咀嚼機能発達支援マニュアル、2009
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(助産師 竹中絵理子)