スマホを見せても大丈夫?〜乳幼児期におけるインターネットの安全な使い方〜

最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン

小さなお子さまでもインターネットを介して、スマートフォンやタブレットなどのスクリーンメディアに触れる機会が多くなってきていると思います。好きなキャラクターの動画をみたり、コミュニケーション手段としてもとても便利なツールですよね。
その反面、スクリーンメディアの使用に関する健康問題や意図せず暴力的な動画をみてしまったりなどのトラブルもあります。安全に使用していくにはどうしたら良いか、その方法についてお話します。

使用する場合は、ルールを決めておきましょう

「小さいからまだルールなんて理解できない」といって野放しにするのは危険です。乳幼児期のスクリーンメディアの使用は、身体活動時間の減少や睡眠への影響など、健康・発達面で危惧されることも多く、基本的には推奨されていません。とはいえ、完全に見せない状況を作るのも現代社会では難しいものです。

世界保健機関(WHO)が作成した、5歳未満のスクリーンメディアの使用に関してのガイドラインでは

・1歳未満には勧められない

・2~4歳では1日1時間未満で、少ない方がいい

など、あくまでも目安ですが使用時間に関することが定められています。

また、座りがちなスクリーンタイム以外に、1歳未満では計30分/日程度を数回にわけて、1歳以上では180分/日以上の身体的な活動時間を設けることなども、子どもの健康を増進していく上で推奨されています。
スクリーンメディアを使用すると、あっという間に長時間の連続使用してしまことも少なくないはずです。例えばお家でのルールとして、30分でタイマーを設定し「ベルが鳴ったら一旦休憩ね」と声をかけて、休憩をはさみながら使用したり。すでに言葉を十分理解しているお子様であれば、親子で話し合って、お子様が主体的にルールを決めるのも良いかと思います。「自分で決めたルールは守ろうね」と声をかけると納得しますし、自己管理していく力も身についていきます。

使用は大人の見える範囲で!怖い動画を見てしまったときは、大人に伝えられるように話しておきましょう

お子様自身がスクリーンメディアを操作する状況もあるかもしれません。そこで気を付けたいことは「エルサゲート」です。人気のキャラクターを利用して、暴力的な動画や不適切な動画に誘導するものです。小さなお子様だと特に善悪の判断が十分にできていないため、見た内容のものを現実世界で真似してしまうこともあります。また、操作しているうちに意図しないことに誤って課金をしてしまうケースもあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、大人の目の届く範囲で使用をすることをおすすめします。

万が一トラブルが生じた際は「どうしてそんなことをしたの!」と行動自体を責めるのではなく、なぜその行動に至ったのか、その背景に目を向けてあげるようにしましょう。身近な大人が責めすぎてしまうと、親以外のところに居場所を求めたり、信頼できる人を探すようになることもあります。大切なことは相談できる関係性を築くことがとても重要です。

不適切な動画やサイトの使用制限ができるアプリを活用しましょう

たとえばYouTubeは「YouTube Kids」のようにお子さま向けのアプリもあり、不適切な動画がフィルタリングされています。さらに、タイマー機能も付いていますので、休憩時間になったら自動的に止まり、長時間の連続使用を防ぐことができます。また、月額料金がかかる場合がありますが、有害なサイトへのセキュリティサービスを受けることができるアプリもあります。
意図しないトラブルに巻き込まれないよう、セキュリティやフィルタリング機能がついているアプリを活用することも大事です。

乳幼児期にインターネットを安全に使うには、大人の存在が必要不可欠です。ルールを決めたり、情報を選んだり、困ったときに大人に助けを求めることができるよう話し合うようにしましょう。これらは、インターネットを介した性犯罪やトラブルから身を守る上でとても重要な手段になっていきます。推奨されている通りにできなくて落ち込むこともないです。なぜそうする必要があるのかということを日ごろから話し合うことがとても大切かと思います。

*参考文献*
国際セクシュアリティ教育ガイダンス
内閣府 青少年のインターネット利用環境実態調査
WHOガイドライン
・親子で話そう!性教育.朝日新聞出版

さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。

(助産師 齊藤麻木

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