最終更新日: 2024年3月27日 by 産婦人科オンライン
近年、産後の心身負担を軽減するため拡充されてきている産後ケア事業。実際はどのようなものなのでしょうか。産後をより快適に過ごすための選択肢としての産後ケア事業について紹介します。
産後ケア事業には、宿泊・日帰り・訪問などのサービスがあります
産後ケア事業とは、産後間もないお母さんの体と心を休めることや、育児がより負担なく行えるように支援することを目的としています。
宿泊、日帰り、または訪問でのサービスがあり、病院や診療所、助産院、保健センターが実施している他、産後ケアセンター(産後ケアのみ実施している所)によるものがあります。
宿泊型や日帰り型では、助産師や看護師、保育士などの専門職が常駐していて、授乳や育児のサポートをしてくれたり、心身の状態について相談をしながら、赤ちゃんと過ごす事ができます。またお母さんが休みたい場合は、赤ちゃんを預けてゆっくり休息をとることもできます。施設によっては、アロマトリートメントやエステ、よもぎ蒸しなどのサービスを受けられます。
経産婦さんは上の子のことも心配かと思いますが、家族で宿泊できる施設もあります。家族の状況よっては訪問サービスを選べるといいですね。
産後ケア事業はどなたでも利用できます
産後ケア事業は、どなたでも利用することができます!
特に、普段のサポートが少ない方、育児手技や赤ちゃんと過ごすことに不安がある方、心身を休めたい方、息抜きをしたい方などにオススメです。
利用できる期間は産後1年頃までが目安とされていますが、母子の状況や地域におけるニーズ、社会的資源等の状況などにあわせて、市区町村によって異なる場合があります。また、利用料金は地域や施設によって様々です。利用対象期間や利用料金の補助については、自治体の窓口、もしくはウェブサイトを確認してみるといいでしょう。
産後は心と身体が大きく変化する時期。一人で頑張らなくてOK!
出産は命がけです!そんな大仕事を終えた直後はたくさんの人に頼っても大丈夫です。出産後に周囲を頼ることやサポートを受けることは、決して甘えではありません。出産を終えると女性の身体の中では大きなホルモンの変動があります。悲しく涙もろくなったり、イライラしたりすることもあります。慣れない育児に戸惑いや疲れを感じることもあるかと思います。育児が辛い、気持ちがしんどいと感じる場合は、家族以外のサポートを頼ってもいいサインかもしれません。
妊娠中の方は、出産前に産後の生活について、家族と一緒に具体的にイメージしてみてください。普段の生活の中でのサポート体制に不安がある場合は、産後の支援サービスについて妊娠中から調べておきましょう。
今回は産後ケア事業についてお話しました。健やかに育児を行っていくために、心と体を休めることが選択肢の一つになりますように。
※地域のサービスの詳細については管轄の保健センターで情報を得る事ができます。
*参考文献
・こども家庭庁. 産前・産後サポート事業ガイドライン/産後ケア事業ガイドライン.
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの助産師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 湊真美)