最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
避妊や重たい生理の改善にも力を発揮してくれる低用量ピル。でも、毎日飲む必要がありますので、時に忘れることもありますよね。今回は低用量ピルを飲み忘れた時の対処法についてのお話です。
なお、子宮内膜症の治療などに使われる低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP製剤:ルナベル、ヤーズなど)の飲み忘れ時の注意点も同様です。
飲み忘れが1回だけの場合:気づいた時点で服用しましょう
1回だけ飲み忘れて、その翌日の薬を飲む前に気づいた場合は、気づいた時点で飲み忘れの薬を服用してください。それ以降は予定通り決まった時間に1錠ずつ服用してください。
もし次の薬を飲むタイミングで気づいた場合は、2錠まとめて服用してください。
飲み忘れが1回だけであれば、避妊の効果は持続していると考えてよいとされています。
例)毎晩服用しているが、昨晩飲まずに寝てしまったとき。
→翌日気づいた時点で飲み忘れた1錠を服用しします。その日の晩の薬も予定通り服用します。
2回以上飲み忘れてしまった場合:気づいた時点での服用に加え7日間は他の方法での避妊が必要です
2回以上飲み忘れがあった場合も、気づいた時点で「1錠だけ」服用し、その後は予定通りに1錠ずつ服用してください。
ただし、2回以上飲み忘れがあった際は避妊の効果が不確実になってしまいます。飲み忘れ後に7日間連続して服用するまではコンドームなど他の方法で避妊を行ってください。
なるべく飲み忘れが無いように、習慣づけする工夫を
ここまでピルを飲み忘れた時の対処法について説明してきました。しかし、飲み忘れが頻回にあると、薬の効果が得られなかったり、不正性器出血が起こったりします。
食後に飲む習慣をつける、ピルを目につくところに置いておく、管理アプリを活用してみるなど、なるべく飲み忘れが無いような工夫もしてみてくださいね。
*参考文献
・イギリス産婦人科学会の指針
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(産婦人科医 中原 一成)