公開日: 2025年9月16日
「今の生活のままで大丈夫?」そんな不安を感じたら、プレコンセプションケアの出番です。
プレコンセプションケアを一言でいうと、「将来、元気な赤ちゃんを授かるための、体と心の準備」のことです。
食事や生活習慣、飲んでいる薬を見直すことが、赤ちゃんの健康を守る準備につながります。妊娠前にできる大切なケアについてわかりやすく紹介します。
妊娠前にチェックすべき薬とは?

妊娠前に一部の薬を見直すことはとても大切です。
例えば、抗てんかん薬(バルプロ酸など)やワルファリン(抗凝固薬)、レチノイド(ビタミンA誘導体)は胎児に影響を及ぼす可能性があり、代替薬への変更や中止を検討する必要があります。降圧薬(ACE阻害薬・ARB)や一部の精神科薬(パロキセチン、ベンゾジアゼピン系)も注意が必要です。
生理痛や生理不順によく使われるホルモン治療薬を使用している場合は、自然なホルモンバランスの回復を確認しましょう。
医師と相談しながら、安全な薬の選択ができるといいですね。
健康な妊娠のために、今からできるプレコンセプションケア

妊娠を考えたら、まずは自分の体と生活習慣を見直すことが大切です。
葉酸を摂る、適正体重を維持する、ストレスを減らすなど、小さな積み重ねが健康な妊娠につながります。
また、普段飲んでいる薬が妊娠に影響しないかを医師に相談し、安全なものに切り替えることも重要。
今からできることを始めて、未来の赤ちゃんを迎える準備をしましょう。
食事・生活習慣・ワクチン接種が重要です

「妊娠しやすい体づくり」は、日々の食事や生活習慣から始まります。
葉酸や鉄分を意識した食事、適度な運動、禁煙・禁酒を心がけましょう。
また、風疹や水痘(水ぼうそう)のワクチン接種が済んでいるかも確認を。ワクチン接種によって、妊娠中にかかると赤ちゃんに影響を及ぼす病気を未然に防ぐことができます。
今できる準備を整えて、健康な妊娠へ一歩前進しましょう。
妊娠に向けて、健康的な体をつくることが大切です。適正体重の維持、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動など、日々の習慣を少しずつ見直しましょう。リラックスできる時間を意識的に作るのもポイントです。
小さな心がけが、赤ちゃんにとって最適な環境につながります。
<参考文献>
・World Health Organization. Preconception care to reduce maternal and childhood mortality and morbidity: Meeting report and packages of interventions. Geneva: World Health Organization; 2013.
・Centers for Disease Control and Prevention. Vaccine recommendations before, during, and after pregnancy. Atlanta (GA): Centers for Disease Control and Prevention; 2024 Jun 24 [cited 2025 Sep 5].
・American College of Obstetricians and Gynecologists; American Society for Reproductive Medicine. Prepregnancy counseling. ACOG Committee Opinion No. 762. Obstetrics & Gynecology, 2019, Vol.133, No.1, p.e78–e89.
・日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―産科編2023.東京:日本産科婦人科学会;2023.p.65-78.
・厚生労働省, 2021, 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 : 妊娠前から、健康なからだづくりを : 解説要領, 厚生労働省.
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