最終更新日: 2024年2月15日 by 産婦人科オンライン
赤ちゃんが指をさす様子はかわいいものですね。実は、この指さしには意味があることをご存知ですか?まだ言葉が話せない赤ちゃんは、指さしで気持ちを伝えようとします。指さしの意味を知っておくと、赤ちゃんが何を伝えたいと思っているかがわかるかもしれません。
生後9ヶ月頃に親が指をさした方を見るようになる
生後9ヶ月頃までは、「自分と他者」「自分ともの」のように、1対1の関係でものごとを認識しています。生後9ヶ月頃を過ぎると、親が指をさした方向を見ることができます。これは、「自分と他者ともの」という3つの関係を認識できるようになってくるからです。親が指さししたものを見ることができ、自分の興味があるものを指さしで親に教えるということができるようになります。
生後10〜11ヶ月頃から指さしが始まる
生後10ヶ月頃より、自ら指さしをするようになります。さまざまな指さしの意味と、親はどのように対応したらよいかについて紹介します。
指さしの種類と望ましい対応
10〜11ヶ月頃 | 興味の指さし | 興味があるものを見つけて「あー」など声を出して「あれ見て」という意味で指をさす。 対応:「光ってるね」「赤いお花だね」など、様子を言葉で伝える。 |
10〜14ヶ月頃 | 要求の指さし | 「おもちゃちょうだい」「あっちにいきたい」など自分の希望を叶えてほしいという気持ちを意味する。 対応:「どうぞ」「あっちにいこうね」などでやりとりする。要求にこたえられないときには、「今日はこっちに行こう」など代わりのアイデアを示す。 |
12〜18ヶ月頃 | 共感の指さし | 自分が気になっていることを伝え、相手にもみてもらうために指さしをする。「わんわんがいる(みてみて!)」 対応:「本当だ、わんわんだね。かわいいね」など、共感し、他の言葉も添える。 |
18ヶ月〜 | 応答の指さし | 相手の質問に指さしで答える。「どっちがいい?」と聞くと、指さしで教える。 対応:指さしできるのが遅いこともあるため、日頃から声かけし、子どもの行動に反応する。 |
指さしを使ったコミュニケーションを楽しむ
赤ちゃんの発達には個人差があります。「指さしをしない」と心配になることもあるかもしれません。指さしは「伝えたい」という思いから始まります。その気持ちを出しやすい環境をつくり、次のようなはたらきかけをするといいでしょう。
・親が話しかけたり指さしをしたりする
・見えるところに興味があるものを置く
・子どもの声などに共感し反応する
指さしを通して、お互いに楽しんでコミュニケシーションがとれるといいですね。
いかがでしたか?赤ちゃんの指さしに種類があるなんて興味深いですよね。指さしは、目まぐるしく発達する赤ちゃんの成長の一つであり、意味があります。赤ちゃんとのふれあいを楽しむときの参考にして頂けたら幸いです。
<参考文献>
国立研究開発法人国立成育医療研究センター.改訂版乳幼児健康診査身体診察マニュアル.
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(助産師 河井恵美)