最終更新日: 2024年3月22日 by 産婦人科オンライン
子宮筋腫は婦人科の良性腫瘍のうち一番多くみつかるものです。検診で初めて指摘される人も多いのではないでしょうか。今回は、子宮筋腫の種類や症状についてまとめました。
子宮筋腫の種類は主に3つあります
子宮筋腫は30代女性の20~30%、40歳以上の40%にみつかります。
子宮のどこに発生するかによって種類が異なり、
・粘膜下(子宮の外側にたんこぶのようにできる)
・筋層内(子宮の壁の内部にできる)
・漿膜下(子宮の内側の粘膜側にできる)
の3つに分類されます。
できる部位や大きさによって、出てくる症状が異なります。
子宮筋腫は、女性ホルモンの影響を受けやすいという特徴があります
子宮筋腫が大きくなることにはエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが関係しています。
授乳中や閉経後はこれらのホルモン分泌が抑えられるため、筋腫がそれ以上大きくならない、または小さくなることが多いです。
ただし、画像検査で子宮筋腫のように見えた場合でも、他の疾患(子宮腺筋症、卵巣腫瘍、子宮体がんなど)の可能性もあるため、きちんと検査をして見極める必要があります。
子宮筋腫の症状には様々な種類があります
子宮筋腫による症状には、過多月経(月経量が増える)や月経困難症(月経痛が強まる)といった月経随伴症状や、排尿・排便異常(頑固な便秘や尿もれ、尿が出ないなど)の圧迫症状などがあります。また、不妊症や不育症の原因になることもあります。
子宮筋腫があっても、約半分の人は症状を感じず、検診などで偶然見つかることが多いです。良性の腫瘍のため、サイズが小さくご自身で困っている症状がなければ、必ずしも治療が必要なわけではありません。
なお、子宮筋腫の治療についてはこちらの記事をご覧ください。
症状が気になる方は、ぜひ早めに産婦人科で相談してみましょう。
*参考文献
・ACOG. FAQ. Uterine Fibroids.
・NHS. Fibroids.
さらに詳しく聞いてみたい方はぜひ産婦人科オンラインの医師にご相談ください。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後、そして女性の健康に関する不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(産婦人科医 清田裕美)