最も正確な出生前検査「羊水検査」とは 〜NIPTとの比較〜

羊水検査は胎児の感染症検査や肺の成熟の確認のために行われることもありますが、最も多く行われるのは染色体検査を目的としたものです。

従来、胎児の染色体異常に関する出生前検査といえばクアトロ・トリプルマーカーなどの(母体の)血液検査と羊水検査でした。2013年にNIPT(Non-Invasive Prenatal genetic Testing;非侵襲的出生前遺伝学的検査、「新型出生前診断」とも呼ばれる)が日本でも利用可能となり、更にその適応が拡大してからは様相が一変しました。

今回は、染色体異常に関する羊水検査の概要とともに、他の検査、なかでもNIPTとの違いを中心に羊水検査の特徴について述べたいと思います。

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不妊治療で注意が必要な「卵巣過剰刺激症候群」

不妊治療中の患者さんは、治療が上手くいくかどうか、妊娠できるかどうか、日々思い悩みながら過ごしていることと思います。我々医療従事者も、上手く妊娠してくれることを願って治療を行っていることは言うまでもありませんが、その裏で治療の副作用についても気を配っています。

今回は、不妊治療中に特有の病気である「卵巣過剰刺激症候群(OHSS: Ovarian Hyperstimulation Syndrome)」について解説したいと思います。

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妊娠初期の人工妊娠中絶は日帰りで実施可能な手術です

妊娠はおめでたいことですが、様々な理由により妊娠を諦らめなければならないことがあるのも事実です。日本において人工妊娠中絶は妊娠21週6日までであれば実施可能です。本稿では、そのうち妊娠12週頃までに実施される人工妊娠中絶手術に関して記載します。(それ以降の時期には、入院して「分娩」のかたちをとることが多くなります)

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妊婦は要注意!古くて新しい病気、梅毒を知っていますか?

みなさんも梅毒という病気の名前は聞いたことがあると思います。日本でも、若い世代の間で患者数は増えてきているといわれています。それではどんな病気かと言われると、なかなか思い浮かばないかもしれません。
この記事では、梅毒がどのような病気なのか、そしてなぜ妊娠と関係するのかについて述べたいと思います。

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不妊症の基礎知識〜女性に行われる検査とは〜

妊娠の成立のためには、排卵、受精、着床というプロセスが必要であることこちらの記事に書きました。今回は、妊娠が上手く成立しないときに、まず行う基本的な検査としてどのようなものがあるかについて、解説したいと思います。(男性側の検査も同時に必要なのですが、この記事では女性への検査のみとさせていただきますね)

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不妊症の基礎知識〜妊娠の仕組みと不妊の原因〜

現在の日本では、不妊に悩んでいるカップルは少なくありません。5-6組に1組は子供が欲しいことを悩み、医療機関を受診するといわれています。少しでも、その原因について知っておくことは、受診する際の医師の説明を聞くうえでも、大きな助けになるでしょう。不妊の原因としては、男性側の理由によるものが約1/3, 女性側の原因によるものが約1/3、そして、原因不明の場合が約1/3とされています。ここでは、女性に原因がある場合、どのようなことが考えられるか、わかりやすく説明していきます。

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双子を妊娠したらどうなるの?(2)〜母体に対する妊娠後期の影響

双子の妊娠は単純に赤ちゃんがおなかの中に二人いるだけではありません。実は、母体に対しても影響があり、様々な合併症が起こりやすくなるのです。妊娠初期には単胎妊娠に比べて、つわりが重くなる傾向があります。ここでは、妊娠後期に起こりえる、医学的にも重要な合併症について述べたいと思います。

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双子を妊娠したらどうなるの?(1)〜胎児への影響

双子ってかわいいですよね(もちろん一人でもかわいいですよ)。街中で双子用のベビーカーを押してるお母さんを見るとおもわず頬が緩んでしまいますね。有名人の双子の出産の話も耳にすることがありますね。女性と話をしていると、1回の妊娠で二人も産めてラッキーなので双子が欲しい、という話を聞くことがありますが、本当にそうなのでしょうか?

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子宮筋腫が妊娠に及ぼす影響について

皆さんも子宮筋腫という病名は聞いたことがありますよね。中にはすでに子宮筋腫と診断されている方もいらっしゃるかもしれません。今回は、子宮筋腫と妊娠の関係について、ご紹介したいと思います。

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