妊婦さんへの新型コロナウイルス対策 〜海外と日本とで、どんな違いがあるの?〜

新型コロナウイルスの影響で、妊婦健診やお産に影響が出ている方も多いと思います。海外ではどのように対応しているのか、イギリスとアメリカを例に挙げ、日本とどの点が異なり、どの点が共通しているのか、妊婦健診や立会い出産、帝王切開の必要性などについて比較してみました。

イギリスにおける妊婦さんへの対応

イギリスでは明確に、妊婦さんを高齢者や持病を持った方と同様、新型コロナウイルスの影響を受けやすい「ハイリスク」にグループ分けしています。
今までのところ妊婦さんが新型コロナウイルスに感染しやすい、重症化しやすい、などという事実は報告されていませんが、一般的に妊娠中は感染症に対する反応が変化しやすいため、重症化リスクの高いグループに位置付けられています。

妊婦健診に関しては通常通り定期の妊婦健診を継続しており、立会い出産も可能としています。感染が判明した場合のお産方法に関しては、必ずしも帝王切開が必要なわけではないとしており、症状や分娩状況などから総合的に判断されるとしています。

アメリカにおける妊婦さんへの対応

アメリカは、妊婦さんは特別に新型コロナウイルスの感染リスクが高いという事実はないとした上で、インフルエンザなど呼吸器系へのウイルス感染は妊娠中では重症化しやすいため、特に注意して生活するよう呼びかけています。

妊婦健診に関しては、住んでいる地域の感染状況を考慮し、定期妊婦健診の延期やキャンセルも考慮するよう呼びかけています。立会い出産に関しては施設ごとに対応が異なるようです。お産の方法に関しては、従来通りの判断基準で帝王切開をするかどうかを決めるとし、新型コロナウイルス感染の有無は関係ないとしています。

英米の対応と日本の対応の違いと共通点

日本は相対的にみてアメリカの対応に近い部分が多いでしょう。
イギリスは妊婦さんをハイリスクと明確にグループ分けをしている一方、アメリカと日本ではそのような対応をしていません。妊婦健診に関しても、日本はアメリカのように延期を考慮するよう呼びかけています。

また、日本は英米と異なり、立会い出産を制限している施設が多く、里帰り出産も避けるよう呼びかけられています。お産の方法については、必ずしも帝王切開が必要なわけではないが、感染拡大防止のため、施設によっては帝王切開になることもやむを得ないという意見が多い印象です。

全体的にみて日本の対応は、より安全な策を講じているように見受けられます。しかし、どの国にも共通して言えることは、わかっていることが少ない中で手洗い励行や自宅待機など、徹底した感染予防を推奨していることです。

多少の違いはありますが、特別変わった対応をしている国はありません。この状況下では共通して、手指衛生や社会的・身体的距離を取ることを勧めています。お母さんが元気な赤ちゃんを産めるよう、まずは個人レベルでの感染対策を行うことがどこの国でもとても重要視されています。

*参考文献
Pregnancy and coronavirus. (NHS)
COVID-19. (ACOG)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策 ~妊婦の方々へ~(厚生労働省)


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(医師 赤羽宏基